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『日本沈没2020』は日本版ウォーキング・デッドだ!

シノプシス

みんな死んでいた。

すべて壊れていた。

武藤歩(あゆむ)以外を残して。

歩は瓦礫と化した街を歩く。倒壊した家々の狭間で、何かが光ったような気がすした。仲が良かった友人が、瓦礫の下から這いずり出てきて、恨めしそうにこちらを観ているような気がした。「なんで神様はアタシじゃなくて、あなたなんかを生かしたの」と潰れた顔で訴えているような気がする。

もちろん、それが悪い妄想だとわかるくらいには、歩はまだ正気を保っていた。友人はここじゃなくて、陸上の大会の控室で、崩落してきた天井にぺしゃんこにされて死んだのだから。

歩は自宅を目指して歩きつづける。そこで大好きなパパとママと弟が、いつも帰る時にみたいに待っていてくれているはずだ。だけど、みんなどこかで死んでいて、もし一生会えなかったらどうしよう。そう考えると自然と涙が止まらなかった。

展開が容赦ねえ!

監督は『デビルマン crybaby』でもNetflixとタッグを組んだ湯浅政明

デビルマンも配信の強みを生かして原作そのままのバイオレンスさだったけど(美樹ちゃん(泣)←ネタバレ気味)、今作も負けず劣らず。展開が容赦がないっす。

いい意味で予告編詐欺だった。

2話目くらいまで観て気付いたのだけれど、公式の予告編が主に1話の内容のみで構成されているんだよね。たまに予告だけ観て、作品をすべて観たつもりになっちゃう作品ってあるじゃん。
ティーンの女子向け、少女漫画原作の邦画の予告とかね!

そういった作品とちがって、観たら2話目くらいからみんな驚くんじゃない?

あたかも物語的に重要そうな人があっさりと死んでいく。

『日本沈没2020』の世界では、まるでこの現実世界と同じように、徳を積んだからといって報われることもなく、いい人が家族に見守られベッドで幸せに死ねるとは限らない。

海外ドラマの『ウォーキング・デッド』が好きな人とかは、バッチリハマるんじゃないかなあ。あれよりはパーティーメンバーの入れ替わりは少ないけどね。
壊れた日本の街を歩く映像ってのは、多そうで意外とないから、そういうのだけでも一見の価値あり!

このくらいは書いていいよね?
監督自ら似たようなことをラジオで言ってるし!

良い!だけど、気になる部分がないこともない!

個人的には湯浅監督の作家性が好きなので満足しているのだけど、気になる部分がないこともない。

ぶっちゃけて言ってしまうと、新興宗教が出てくるあの回あたり!

新興宗教が出てくることを非難しているわけではない。話運びは好きだ。

受け付けなかったのは、あのデザイン!『四畳半神話大系』に出てくるファンタジーチックなあの仏像みたいなやつのデザイン。現実から解離しすぎていて、なんだかなあ。もうちょっと生々しくてリアルな新興宗教を出して欲しかったなあ。

あとは、これは個人の趣味の問題だけど、キャラクターデザインがあまり好みではない。

たまにすっごく安っぽく見える。

おれ的スコア

★★★★

少々の文句を言いながらも、最終話では思わず落涙しそうになりました。

どうやってこの絶望的な話を決着させるのかと思いきや……監督さすがっす!

ちなみに小松左京の原作を読んでないんだけど、どのくらいちがうんでしょうね?いつか原作を読んでみたいなあ。

2020年8月現在Netflixで観ることができる湯浅政明監督作品

ちなみに、2020年8月現在Netflixで観ることができる湯浅政明監督作品はこちら。
(星の数はおれ的評価)
・『四畳半神話大系』★★★★★
・『ピンポン THE ANIMATION』★★★★
・『夜は短し歩けよ乙女』★★★☆☆
・『夜明け告げるルーのうた』★★★☆☆
・『DEVILMAN crybaby』★★★★すっごく好きな監督さんなので、観れるやつ漏れなく観ちゃうよね。
『四畳半神話大系』は何回観たかわからん(←ばか)。

予告

 

ABOUT ME
かず
ある日学生時代に友人におすすめ映画を紹介した時に、「めっちゃ面白そう!」と好評。 昔から映画は好きだったが、映画を紹介することで初めて人に認められ、人生がほんのちょっとだけ変わった人間。 「映画の知識があれば、老若男女問わず話が合うし、教養が身について人に優しくなれるし、歴史にも詳しくなる!」そんな信条の持ち主。

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