めっちゃ怖いという巷の噂を聞いて、二の足を踏んで劇場で見逃したんだよね。
おなじ監督の『ミッドサマー』はホラーと思わずに見たよ。べつに怖くなかったけど、好きな映画かな。
イントロダクション
無印良品的おしゃれロハス・ホラー映画『ミッドサマー』の記憶が新しいアリ・アスター監督の長編第一作。
キャスト&スタッフ
主演はトニー・コレット。
最近だとアガサ・クリスティー的探偵ものを現代に復活させた、『ナイブズ・アウト』に出てたね。
ぶっちゃけ後のキャストは、よく知りまへん!
長男の子はちょっとムロ・ツヨシに似てるね。(気のせい?)
旦那さん役も妹役の子も顔がいいね。
旦那さんは弱そうで役に立たなそうだし、妹の何考えてるかわからない不安げな感じとか。
監督はアリ・アスター。
無印良品的おしゃれロハス・ホラー映画もしくは、綺麗なジャイアンならぬ、綺麗な『グリーン・インフェルノ』こと『ミッドサマー』の記憶が新しい。
『ヘレディタリー』は劇場で見逃したんだけど、
「観たくない、観たくない、観たくない。だけど観たい!」と往年のモーニング娘。を彷彿とさせる心境の変化を経て、この度意を決して観てみました。
2作を観て思ったのは、アリ・アスターの作品を観てると、タルコフスキーの映画を観てるような気分になるってこと。
アンドレイ・タルコフスキー
ソ連の映画監督である。「映像の詩人」と呼ばれ、叙情的とも言える自然描写、とりわけ「水」の象徴性を巧みに利用した独特の映像美で知られる。深い精神性を探求し、後期から晩年にかけて、人類の救済をテーマとした作品を制作・監督する。表現の自由を求めてソ連を亡命し、故郷に還ることなく、パリにて54歳で客死する。
Wikipediaより引用
ドゥニ・ヴィルヌーブの『複製された男』が「タルコフスキーっぽいなあ。偶然かなあ」と思いながら観たんだけど、同監督の『ブレードランナー2049』が完全にタルコフスキーのオマージュで妄想が確信に変わったんだけど……
アリ・アスターもタルコフスキーっぽい!(確信!)
ドゥニの場合はタルコフスキーっぽくない映画もいっぱい撮っているので、意識してタルコフスキーを模倣してるように感じる。
しかし、アリ・アスターの場合は監督作すべて(まだ二作しかないけど)がタルコフスキーっぽいので、模倣じゃなくて天然なのかもしれない。
タルコフスキーの意思が新世代の作家たちにも“継承”されてますな。
もしくはタルコフスキーの思念が本当に憑依していたりして……。
あらすじ
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。
やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。
そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。
“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?
公式サイトより
レビュー
今さらかもだけど、このブログはネタバレを極力避けるように工夫して書いてます。
観た人が答え合わせをするためのブログではなく、まだ観てない人に対して、まだ観ぬおもしろい映画を観てもらいたくて書いてるところがあります。
というわけで、伏線や考察は他の人のブログを見てください。
公式サイトにも丁寧なネタバレ解説があるよ。
アリ・アスターの作品を二作観て思ったのは、今までの海外のホラー映画ともJホラーともちがう、まったく新しいタイプのホラーやなあってこと。
先に書いたけど、タルコフスキーmeetホラー映画って感じだからかな。
なんていうのかな、どこか詩的で美しい。(怖いんだけどね!)
一応、二作とも“田舎に行ったら襲われた”的なホラーの定石にも則ってるんだけどね。
“田舎に行ったら襲われた”は、田舎という逃げ場のない密室に主人公たちが閉じ込められ、そこで襲われるようなシチュエーションをしめす。
ヘレディタリーは移動せずに元から田舎が舞台。ミッドサマーは都会から旅行で北欧の田舎へ移動する。
あとは音楽の不気味さ!
あれのせいで常に緊張を強いられる。
ホラー映画のフォーマットにきれいにのってるのはそこくらいで、あとは僕たちが持っているホラー映画の常識があまり通用しない。ゆえに怖い!
むしろ色んな作品を見てる人ほど怖いんじゃないかな?
「なんでそこを写すの?」みたいな、見ていて一見意味のなさそうなショットがあったりする。逆に「そこに何かあるの?」と勘繰ってしまう。
この前の映画『透明人間』もそんな感じだったね。

他にもアリ・アスター監督作独特の恐怖を箇条書きにすると……。
怖いところ1
映画内で起きる超常現象に合理的な説明がない!
頭を回転させて意味を見出さないといけない。
これが考察大好き人間の欲望を満たす。
怖いところ2
襲ってくる者が、別に強い悪意を持っているわけではない!
悪意や恨みを燃料にしているわけではなく、あくまで「君が襲われるのは、前々から決まっていたことで、自然の摂理だから我慢して襲われてね」みたいな風に襲ってくる。めっちゃ不条理。
主人公は、この世とは別のルールを持つ世界に突然放り込まれるのです。しかもその世界がこの世の真隣にある。
怖いところ3
観客を安心させてくれない。
常に不穏な音楽が鳴り響き、なんでもないシーンでも緊張を強いられる。
例えばふつうのホラー映画にはスカッとする瞬間もある。例えば、イチャイチャしているカップルや鼻につく人間がやられるとかね。
観客のどす黒い欲望を叶えてくれる瞬間がある。
しかし、アリ・アスター監督の作品にはそれがない!
普通の優しい人が犠牲になる。
救いがない結末を迎えるんだけど、なぜかある種のハッピーエンドにも見えるのが不思議なんだよなあ。
別の世界のルールを理解し、そこに順応してしまうとね……。
おれ的スコア
もう二度と観たくない!最悪!思い出したくもない!!
この映画が好きな人へのおすすめ映画
『ミッドサマー』
アリ・アスター監督の二作目。
『ヘレディタリー』より怖くない(けど面白い)ので、先にこっちでかけ湯をして心臓を慣らしてから、『ヘレディタリー』を観ることをオススメします。
『グリーン・インフェルノ』
『ミッドサマー』が無印良品だとしたら、こっちはドン・キホーテ。
意識高い系の若者が食人族にモグモグ食べられる。
不思議と『ミッドサマー』ともオチが似てる。
予告編
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