劇場公開作品

【後編】爺ちゃんが、誘拐された孫の身代金の支払いを渋った。『ゲティ家の身代金』

かず
かず
あまりにも文章が長かったので、前編と後編にページを分けました。

前編はこちら

【前編】爺ちゃんが、誘拐された孫の身代金の支払いを渋った。『ゲティ家の身代金』 イントロダクション 2017年に公開された、リドリー・スコットの今のところの最新作。 最初に書いたけど、世界で一番の金持...

 

レビュー

リドリー・スコットの映画には2種類ある。

リドリー・スコットの映画には2種類ある。ひとつはわかりやすいエンタメ作品。
最近だと火星でひとりぼっちになった男が、ありあわせの物資で地球への帰還を目指す『オデッセイ』とか。あとは『エイリアン』とか『グラディエーター』とか。

もう一種類は、個性を爆発させた深読みを強要させる作品。
最近だと『悪の法則』とか、エイリアンの前日譚の『プロメテウス』とか。
長年のファンは「うんうん、みんなはわかってないけど、おれだけはちゃんとわかってるよ」と頷きながら見る。
実際にわかっているかはさておいてね!

作品の中に非常に隙と言うか、余白が多くて考察のやりがいがある作品が多い。
監督の頭の中には答えがあるので、単に力不足だから作品に隙がある作品とは雲泥の差がある。

前日譚の『エイリアン』はわかりやすいエンタメなのに、その『プロメテウス』は個性爆発映画なのでタチが悪い。

渋めなのは否めないが、今作はどちらかというとわかりやすいエンタメ作品に分類される。
孫が誘拐されたのに、身代金の支払いを渋る祖父の話なんて、めっちゃキャッチーじゃん。

その身代金の支払いを渋るクリストファー・プラマーですが……

出ずっぱり!

当初のゲティ役あるケヴィン・スペイシーのセクハラ報道による降板により、公開一ヶ月前にもかかわらず登場シーンを全シーン撮り直したらしいのだが、違和感がなさすぎて凄すぎるぞ。

キャッチーな作品ではあるが、近頃のリドリー・スコット作品にありがちな空白の部分もある。

作品内でゲティはケチというよりも、神のような扱いをされているような気がした。
単にケチに描くだけなら、もっとやりようがあったはずだ。

それこそ『プロメテウス』に出てきた”神様まがいの異形の人間”のような感じだ。

石油を牛耳る彼は、もはや地球の神である。
すべてが彼の掌の上での出来事なのである。

史実では、単にケチだから身代金を渋ったのかもしれないけどね。
けどこれは映画で、リドリー・スコットのフィルターを通って出てきた作品だ。
史実が知りたかったら、ドキュメンタリーを見たら良い。

ゲティの口では身代金を渋っている感じだが、どうにも腹のうちが読めないあの感じ。
映画の巨大な中心であり、巨大な空白。
どっしりと構えたゲティの前で登場人物は、誘拐犯も含めて右往左往するしかない。

その辺りはリドリー・スコット2013年の作品『悪の法則』にも通じるものがある。
また”仕事映画”という意味でも、『悪の法則』と共通している。

仕事映画とは。

おれが勝手に名付けただけで、”仕事映画”はおれ以外の誰も言ってない。

おれが言う”仕事映画”とは、巨大な産業に多くの人間が関わっていて、それぞれの人物は自分の受け持ち分をこなすだけで、産業の全体像が作業者にはわかっていないことを言う。

一体自分がなんの作業をしているかもわかっていないことすらある。ただ言われた単純作業をするだけ。
今作の誘拐犯たちも、そんな感じ。

本作は、リドリー・スコットの中間的な作品なので、リドリー・スコット初心者は、わかりやすいエンタメの後くらいに見てみるのがオススメです。

これを見た後に、『プロメテウス』とか『悪の法則』を見ると良いかもね。

おれ的スコア

かず
かず

好き好き、大好き。

この映画が好きな人へのおすすめ映画

『手紙は覚えている』
こんな映画が見たかった!おれの好きがすべて詰まっている。
ナチスとか聞くと、パブロフの犬のようにヨダレが出る人はおすすめ。

次の映画はリドリー・スコットのわかりやすいエンタメ作品を見た後に見ると、
おもしろいかもね。
『悪の法則』
『プロメテウス』

予告編



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