会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。
どうも、かず(@kazu_eigablog)です。
今日紹介するのは、『007/NO TIME TO DIE』です!
「007が話題になってるけど、これまでの作品を観てないよ」
「前作や前々作のサム・メンデス監督は良かったけど、今作のキャリー・フクナガ監督って誰。不安」
「女性の00エージェントが出てくると耳にしたけど、そんなの許せん!」
「公開延期期間が長過ぎ……興味なくしてきた」
そんな声がちらほら聞こえてきますが、小学生の頃から007にどっぷりハマり、スペクター公開後には一人旅で、ロンドンまで行ってきたわたしが素直なことを言わせてもらいますと……
キャリー・ジョージ・フクナガ監督ありがとう!
最高です。

というわけで、本記事では『007/NO TIME TO DIE』の率直な感想を書きたいと思います。
本記事では基本ネタバレなしで、良さを伝えるのが目標です。ただし、まっさらな状態で映画を観たい人はUターンでお願いします。
そして観てないアナタを映画館に誘うのが目標!(笑)
ダニエル・クレイグが演じるボンドが劇場のリッチな音響や大画面で観られるのは、今だけです!
「あとで配信でいいや」と思っているあなた、家と映画館のスピーカーはまったくレンジがちがいます。
さらに本作は、IMAXで撮られた初めてのボンド映画。
今観るのと、あとで家で観るのはまったくちがう映画体験。
それは美術の教科書でダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を観て、本物を観たなんていう人はいないのに、映画だとそれになっている気の人が多いんだよなあ。
というわけで、本文にレッツ・ゴー!
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本作はこういう人にオススメ
- ダニエル・クレイグのボンドを追ってきた熱心なフォロワー
- 『慰めの報酬』と『スペクター』でちょっとだけ、がっかりした人
- あらゆる意味でこれまでの定石を外す型破りな、ボンド映画が観たい人
あらすじ
ボンドは00エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。しかし、CIAの旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。
公式サイトより
予告編
ネタバレなし感想

そもそも“NO TIME TO DIE“の意味とは?
これは、そのまま「死ぬ暇もない」「今はまだ死ぬ時ではない」的な意味でしょう。
前作のラストでMI6を抜けたものの、またもや諜報の世界に舞い戻ったボンドのことをしめいていると思われます。
ちなみに、タイトルの出どころは、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリの父が生前に企画していた映画のタイトルのようです。
それをバーバラが気に入っていて本作に使用したとか。
NOとTO、TIMEとDIEが音や見た目で韻を踏んでいて、字面の見た目もいいですよね。
賛否両論あると思いますが、あらゆる意味で型破りなボンド映画!

いつものボンド映画の伝統に則ったシーンはあります。
安心してください。
だけどボンド映画としては、なかなか型破りな映画でした!
結論から言うと、筆者は大満足です!
伝統を継承しつつも、今まではボンド映画だからと目を瞑っていた予定調和な展開が少なくなりハードな物語です。
当初NO TIME TO DIEはダニーボイル監督がディレクションをする予定でした。
『トレイン・スポッティング』の監督で、ロンドン五輪で、エリザベス女王をボンドにエスコートさせることに成功した人ね。
ただしクリエイティブ面の方向性のちがいで降板してしまいました。
そこから新たに選ばれたのが、イケメンの才人キャリー・ジョージ・フクナガ監督。
名前からわかるように日系の血が混じっています。
ちなみに脚本家としても有名で『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』の脚本にも関わっています。
そこから脚本を書き直し、通常の1/3程度の制作期間でNO TIME TO DIEを制作したそうです。
これを聞いたら、めっちゃ不安じゃない?
通常の1/3の制作期間で作ったなんて……
ですが最初に言ったように、最高の一作でした!
本作の良かったところ厳選5つ!
- これまでのボンド映画になかったボンドの成長要素
- Me Too以降の新たな女性像
- 骨太なアクション
- いろんなシーンに漂う日本要素
- 原点回帰的なガジェット群の登場

これまでのボンド映画になかったボンドの成長要素、Me Too以降の新たな女性像
これまでの007シリーズに比べて、ダニエル・クレイグのボンドは5作のストーリーがリンクしています。
ボンドといえばプレイボーイなイメージがありますが、ダニエル・クレイグのシリーズでは、徐々にそれが薄くなりました。
『カジノ・ロワイヤル』に出てきたヴェスパーを、割とずっと引きずっているんですよね。(時折アバンチュールを楽しんではいましたが……)
本作では前作のボンドガールのレア・セドゥが続投。
さらに新ヒロインのアナ・デアルマス演じるパロマもとも、絶妙な距離感です。
またユーモアたっぷりの、黒人女性ダブルオーエージェントであるノーミもボンドの良い相棒です。

ちなみに本作からボンドガールという言葉が、ボンドウーマンに置き換わっているようです。
ボンドを喜ばせる子猫ちゃんから、ひとりの自立した女性として描くようになったんですね。
さらに本作では、Amazonオリジナルドラマ『フリーバッグ』で主演と脚本を勤めたフィービー・ウォラーが新たに加わっているので、ストーリーにも女性の目が入っています。
>Amazonプライムビデオで『フリーバッグ』を今すぐ観る!『フリーバッグ』は、デッドプールみたいに第四の壁を超えて、画面のこちらに話しかけてくる系の女性が主人公のコメディドラマです。
一話30分なので観やすいです。
>>関連記事
(昔の記事なので、あまり期待しないで……)
【感想】IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
【NETFLIXオリジナル】来るべき『007』に備えて!『ビースト・オブ・ノー・ネーショーン』レビュー!
骨太なアクション

またボンド映画ならではのアクションも良かったです。
前作、前々作のサム・メンデス監督によるアクションが美しい華麗な殺陣だとしたら、本作のアクションは質量を伴うような割と無骨なものが多かった印象があります。
本作にもバイクや車が舞ったりするシーンもあります。
それも重さを持ったようなものが、華麗に舞うような印象。
また本作では、音楽がハンス・ジマーに変わりました。
ノーラン映画とか大作アクションの劇伴を手がけている、巨匠ですね。
ハンス・ジマーの力強い音楽も、物語の重厚さに拍車をかけていますね。
だいぶ前作までと雰囲気がちがいますね。
『スカイフォール』なんかは物語は『ダークナイト』なのに、音楽はトーマス・ニューマン。
『NO TIME TO DIE』は音楽が『ダークナイト』チック。
いろんなシーンに漂う日本要素、原点回帰的なガジェット群の登場

そして『スペクター』から、往年のシリーズにあった、いい意味での荒唐無稽なガジェット群が復活しはじめました。
本作ではガジェット群がいろいろ出てくるので、往年のファンもニヤリとできるんじゃないでしょうかね。
いい意味での荒唐無稽さといえば、本作のヴィランではあるサフィンやサフィンの基地も昔のシリーズぽさがあって良かったです。
予告編でも明らかになっていますが、このサフィンが能面を被っていたり、秘密基地がどうやら安藤忠雄の建築に影響を受けているようです。
この辺りは日系の監督であるキャリー・フクナガ監督が本作の撮影前に、香川の直島を訪れていることに由来するようです。
またサフィンの基地にはいろいろ日本要素が出てくるので、ぜひご自身目で確かめてください。
日本要素というか、そもそも基地が所在する場所が……
近ごろの映画は、どこかの国を表立って批判することに慎重になりました。
”中東の人=テロリスト”、”ロシア=悪”みたいな紋切り型の図式は成り立ちません。
なのでボンドのヴィランの雰囲気が原点回帰している印象を受けました。
どこの国にも属さない誇大妄想家。
さらに悪気がない子悪党じみた科学者に、冷徹に暗殺を請け負う腕っぷしの強いボスの右腕的な人物もいたりして、その辺はまさに往年のボンド映画!
さらにはオーバーテクノロジーなガジェットも出てきて、かつてのボンド映画ファンもにんまりでしょう。
しかもボンドだけでなく、敵側も任務のためにガジェットを使うんですよ。
まとめ
『スペクター』よりさらに、往年のボンド映画的な要素が戻ってきています!
ですが伝統を継承しつつも、これまでに観たことがないサプライズに満ちたストーリーなので、大満足の一本!
ちなみに家人は007に詳しくないものの無理矢理連れて行きましたが、ふつうに楽しんでいました。
なので本作単体でも問題なく楽しめるようです。
そして過去に何があったのか気になりはじめているようです。
逆に本作を最初に観て、過去にさかのぼるのもありじゃないですかね。
追伸
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
参考になればうれしいなあ。
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あなたとは映画友だちになれそうなので!
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また以下の記事では、映画を安く観る方法をまとめています。
興味がある人は覗いてみてください。
