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森田芳光監督作 映画『家族ゲーム』松田優作が海からやってくるワケとは

家族ゲーム
かず

会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。
どうも、かず(@kazu_eigablog)です。

今日紹介するのは、森田芳光監督作の『家族ゲーム』です!

これまで映画好きと名乗りながら、今まで森田芳光監督の映画を観たことがなかった。
映画好きかつ音楽好きなので、このたびライムスター宇多丸さんと三沢和子さんの共著『森田芳光全映画記録』を購入!
『森田芳光全映画記録』も読みつつ、早速一番有名な『家族ゲーム』を観てみました。

森田芳光全映画
『森田芳光全映画記録』! 定価6500+税を一回払ってしまえば、今後一生タダで楽しめる!(笑)

『家族ゲーム』はキネマ旬報で一位を獲っていたり、日本アカデミー賞にて部門賞を総なめにしているスゴイ映画。

賞レースを制している映画だし楽に観るつもりが……ところが、どっこい!想像よりも難解な映画でした。

「なんで食卓が最後の晩餐みたいに横並びなの?」
「なんで松田優作は海からやって来るの?」とか、

監督の意図なんでしょうけど、いろいろと説明がないんですよね。

賞をとるくらいだから、すべての人に開かれたわかりやすい映画かと思っていたのに!

というわけで『森田芳光全映画記録』を片手に、この映画を私見を踏まえて読み解こうと思います。
(本の中身は著作権とかあるだろうし、あまり明かさないよ)

2021年は森田芳光監督がご存命であれば70歳。
いろいろとイベントが企画されているので、忘れている人は見直したり、観たことがない人は絶好の観るチャンス!
こんなに観やすいタイミングは、なかなかないのでみんな森田芳光監督の映画を見ようぜ!

では本文にレッツ・ゴー!

ちなみに今現在『家族ゲーム』はAmazonプライムビデオで配信されています。
プライム会員であれば追加料金なしで観れます!

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『家族ゲーム』はこういう人にオススメ

  • 乱暴な教師が世直しをするとか最高じゃん
  • 向き合わない家族に正義の鉄槌が見たい
  • シニカルでシュールなギャグが好き
  • 松田優作ラブ

あらすじ

キネマ旬報ベストテン第1位作品。才人・森田芳光監督が、どこにでもある家庭の抱えている問題をユーモアに描いたシニカルでシュールなホームコメディ。高校受験を控える息子を持つ沼田家は、成績のパッとしない息子のために家庭教師をつける。だがやって来た吉本(松田優作)は三流大学の7年生という風変わりな男だった。

予告編

解説「なぜ吉本勝(松田優作)は海からやって来るのか?」

海からやって来る理由には色々な説があるようです。

  1. ルキノ・ヴスコンティ監督の『ベニスに死す』へのオマージュ
  2. 西部劇へのオマージュ
  3. 海からやってくる日常の破壊者、ゴジラのイメージ

一つはプロデューサーであり妻の三沢和子さんの解釈。
二つめは宇多丸さんの解釈。
三つめは世間で流布している解釈です。

おれが感じたには、2と3をミックスした印象ですかね。

また海と言いても対岸が見えているという点において、三途の川を超えてやって来る地獄のヒーローみたいな男という印象を受けました。

まず単に蒸気船の先頭で仁王立ちしている松田優作という絵面が、非常にカッコイイ!
”ただならぬ男”がやって来る感じがします。

またラストでの松田優作の大暴れを観れば、破壊者ゴジラのイメージが被るという人がいるのも納得できる話。

松田優作がなぜ海からやって来るのか監督自身の答えは明かされていません。
しかし監督の脳内にあったビジョンや、”ただならぬ男”がやって来る感を表現したかったのでしょう。

また一生解き明かせない謎があるからこそ、何度も観れるというのも事実。

かず

おれは三途の川を超えてやって来る、地獄のヒーローのような印象を受けました。

解説「なぜ沼田家の食卓は『最後の晩餐』のように横並びなのか?」

最後の晩餐
(引用元:映画.com)

完全なる解答はないようです。

しかし説として有力なのは…

  • ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』オマージュ
  • 面と向かって向き合わない家族の表現
  • 単なる監督の好み

『最後の晩餐』オマージュて言うと、映画の考察的になんだかカッコイイですよね。

中央には松田優作がいて、収まりがいいし。だけど個人的にはこの意見には与しません。いや意識はしているかもしれませんが。

向き合わない家族のメタファーという意見も映画のテーマと一致していて好きです。

伊丹十三が演じる父親は、母親に子育てを任せきり。目玉焼きをチューチュー吸ったり、お風呂でもパックのジュースをチューチュー吸ったりと幼児性が伺えます。

由紀さおり演じる母親も、若い時に子どもが出来たらしく少女時代が強引に終了したことが示唆されています。

家族全員がまだ幼いんでしょうね。

最後に破壊された食卓を家族全員で掃除するシーンがあり、あのシーンでようやく家族が向き合うことになる。
一つの共通の災害に対して向かい合うときに、ようやく家族が一つになるというのはありそうな話ですね。

また『森田芳光全映画記録』にはこういうことも書かれていました。

当時のお茶の間を映したドラマでは、不思議なことにカメラに背中を向けた人がいないからそれを映画でもやってみた可能性もある、と。

かず

沼田家の長男が友人の女の子の家へ遊びに行った際は、カメラに背中を向けたままの男の子がいました。アレはアレで映画的には違和感がありましたよね。

しかも化粧品売り場を抜けたら茶の間があって、女の子の部屋はエレベータで上がった先にあるという謎仕様の家!あれも違和感の塊のような家でした。

はたまた深い意味はなく、森田芳光監督が人見知りなので、横並びの食卓が好きなだけだったという意見もあったり……。

結論。

松田優作と由紀さおり
背後に古代エジプトの壁画に描かれているようなタペストリーが飾られている(引用元:映画.com)

向き合わない家族を示していると思われます。

ですが、食卓のシーンだけでなく、出てくる家が全体的に変な間取りなんですよね。

あまり言及されませんが、沼田家のお兄ちゃんの部屋に行くには弟の部屋を経由しないといけないというのもなかなか変な間取りだと思います。

ひとつの部屋を後で真ん中で区切ったのでしょうか?どちらにせよ家族の断絶を感じます。

あと私的な意見として、横一列の食卓は”演劇の舞台”や”横スクロールのゲーム”を連想しました。

また由紀さおりの座っている位置の後ろの壁あたりに、古代エジプトの壁画に描かれているようなタペストリーが飾っている点にも注目したいところですね。

あれが平面であることを、さらに強調しているような気がします。

解説「不穏なラストシーンは一体何を示しているのか?」

かず

『家族ゲーム』の映画って不穏ですよね。

  • 日本国旗を背に空手への興味を募らせる、兄の慎一
  • 不穏な鳴り止まないヘリコプターの羽音
  • 暗い部屋で昼寝したまま起きない兄弟
  • あとを追うように眠る母
  • 天に登っていくように、ぐーっと引いていくカメラ

またエンディングテーマもなく、劇中のセリフがリフレインするのも不気味さを醸し出します。
そしてスタッフロールの最後に森田芳光の名前が出てくると、再びヘリコプターの羽音が響く。

ふとしたことをきっかけに日常なんて、いつでも壊れるんだぞということを示しているような気がします。

家族といってもお互いに知らないことばかり。
ひとつ屋根の下で暮らしても学校や仕事に行っていたら、一日のうちバラバラに過ごすことの方が多いんですもの。

  • エンディング直前では、空手の道場で日の丸を背負すことで右によって行きそうなことを示唆される兄。
  • 家庭教師がいなくなった途端に、またもや勉強をサボりだす弟。

親は子どもたちがどうなっているのかを知るよしもないでしょう。

ヘリコプターの羽音が聞こえるのは、よほど深刻な事件が起きてテレビ局が取材に来るときくらい。
こじつけ以外の何物でもないですが、映画公開後の世界では未成年による様々な凶悪な犯罪があったりしました。

かず

時代の空気を敏感に読み取った森田監督は、互いに向き合わない家族への警鐘を鳴らしたかったのかもしれません。

レビュー・感想

距離が近い
距離が異様に近い。(引用元:映画.com)

たくさんの不穏な解説チックなことを書きましたが、この映画はブラックコメディだと思っています。

しかもツッコミが不在のコメディなので、場面によってはかなりシュールな絵面です。

家人もケラケラ笑いながら観ていました。

また松田優作演じる吉本と、勉強を教える沼田家の弟の物理的な距離が異様に近いんですよね。もはやBLレベル。

さらに食卓シーンに松田優作が座ると、席がぎゅうぎゅうな所とか最高です。

あと今見直すと、現在活躍している松田優作の息子の松田龍平にオーバーラップする部分があります。
顔の角度で「あ!今の表情、松田龍平ぽい!」「今の喋り方松田龍平ぽい!」みたいに感じておもしろい部分もありました。

かず

それにしても、この映画の松田優作の声って少し聞き取りづらくない?おれだけ?

ちなみに今現在『家族ゲーム』はAmazonプライムビデオで配信されています。
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かずくん
ある日学生時代に友人におすすめ映画を紹介した時に、「めっちゃ面白そう!」と好評。 昔から映画は好きだったが、映画を紹介することで初めて人に認められ、人生がほんのちょっとだけ変わった人間。 「映画の知識があれば、老若男女問わず話が合うし、教養が身について人に優しくなれるし、歴史にも詳しくなる!」そんな信条の持ち主。

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