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【モザイクがなかったぞ】『ミッドサマー ディレクターズカット版』通常版とのちがいやルーン文字について

ミッドサマー
かず

会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。どうも、かず(@kazu_eigablog)です。

今日紹介するのは、『ミッドサマー ディレクターズカット版』です!

今回はわりと観たことを前提で話しますが、これから観る人の楽しさを削ぐつもりもないのでご安心ください。
一応ネタバレ注意です!

いきなりですがここでクイズです。
下の画像の中心に描かれた、アルファベットのRのようなルーン文字は何を示すでしょう。

ルーン文字
(引用元:IMDb)

正解は……この序文の最後に書きます。

「ミッドサマー」って、なんだか捉えようがない映画ですよね。

その得体の知れなさこそが、ホラー映画の恐怖の根源でもあるんでしょうけど!

しかし『ミッドサマー』は他の多くのホラー映画とちがい、アリ・アスター監督のメッセージが随所に散りばめられた非常にクレバーな作りになっています。

なのでこの記事では、「あのルーン文字には、こういう意味があったのか!」とか個人的に調べた気づきや、通常版とディレクターズカット版の違いなどを簡潔に書こうと思います。

作品の細かいメッセージが読みとければ、おもしろさは倍増。

ちなみにまだ本作の監督アリ・アスターはまだ30代半ば。劇場で公開された長編作品も2作のみと、今から全然追いつけます。

これを観て次回作を劇場で一緒に楽しみましょう。
では、本文にレッツゴー!

あ。最初のルーン文字の答えですが、アルファベットのRに似たルーンは「旅」、「進化」、「成長」などを示すルーン文字です。

周りのアルファベットのXのようなルーンにももちろん意味があります。
そちらは本文で触れますね。

『ミッドサマー』はこういう人にオススメ

  • ホラーは苦手だけど観たい
    (一部グロいシーンもありますがホラー映画入門には最適かも)
  • 女性の成長譚が好き
  • ちょっと変わったホラー映画が観たい

あらすじ

家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。

予告編

まずはディレクターズカット版と通常盤のちがいについて

主人公のダニー
(引用元:IMDb)

ディレクターズカット版は、通常版よりも20分程度上映時間が長くなっています。

これから観る人や見返そうと思っている人は、ディレクターズカット版を観ることをおすすめします。追加シーンは通常版には描かれなかった儀式など、明らかに追加されたシーンもあります。

ですが多くは細かな以前あったシーンをもう少し長くするなど、ドラマ部分に追加がなされています。
ドラマ部分の追加は、キャラクターの心情や関係性ををさらに深く掘り下げています。

追加されたシーンについて

追加されたシーン一覧
  • 序盤でのダニーとクリスチャンの会話
  • ホルガへ向かう途中の車中での会話
  • ホルが到着時の食事シーンが追加
  • ダニーが誕生日だということを伝える、ペレとクリスチャンの会話
  • 夜中に宿舎から出て行くホルガの住民
  • 通常版とちがいアッテストゥパンの儀式で、ルビ・ラダーがガッツリ映る
  • クリスチャンとジョシュの会話
  • 論文のためにインタビューするクリスチャン
  • 川の儀式の追加
  • ダニーとクリスチャンの口論と和解
  • クリスチャンとシフとの会話
  • 村で大事にしている先祖の木に粗相をした後の会話

通常版を劇場で一度見たきりくらいだと細部を忘れているので、細かな追加シーンなどに気づくのはかなり難しいと思います。

総じて言えるのは、追加シーンによってクリスチャンのダメ男ぷりが上がっています。
詳細な内容はぜひ実際に観てみてください!

やはり、いちばんのサプライズ要素は、『川の儀式』の追加でしょう。
急にまったく知らないシーンがはじまるし、アッテストゥパンの惨劇を観た後なので、何が起きるのか分からなくてハラハラドキドキです。

かず

例えるならば、エヴァンゲリオン劇場版の『破』で、アスカがエヴァ3号機に乗るときのような驚き。伝わらない?

「安心して観てたのに、ちょっと待ってー!心の準備してないんだけど」っていう。

川の儀式の詳細内容も省くことにしましょう。
だって観た人は知ってるだろうし、観てない人には驚いて欲しいし!
(ごめんね。川の儀式が追加されたこと言っちゃて)

またタイトルにも書きましたが、とあるシーンからモザイクがなくなっています。丸出しです。

劇中で出てきたルーン文字の意味について

そもそもルーン文字とは

ルーン文字(Runes)は、北ヨーロッパで使用されていたゲルマン語の表記に用いられた文字体系で、最も古い記録は紀元後約150年のものだという。その後、ラテン文字が登場するとそちらが代わりに使われるようになるが、スウェーデンの一部の地方では20世紀初頭までルーン文字が使用されていたという。

ルーンの意味は「秘密」や「神秘」。初期のルーン文字は魔術や予言で使われたという。

北欧の古詩を集めた歌謡集「ハヴァマール」には、北欧神話の主神オーディンはルーンの呪文を唱えて死者を蘇らせたと記されている。

日本版公式サイトより

劇中に出てきたルーン文字

アッテストゥパン

ルーン文字
(引用元:IMDb)

序文でも書いたアッテストゥパンのシーンにて出てくる、石碑に書かれたルーンの意味は以下になります。
このシーンを観た人であれば何か思うことがあるのではないでしょうか。

アッテストゥパンの石碑に描かれたルーン文字

ᚱ:「旅」「進化」「成長」

ᚷ:「贈り物」

ᛏ:「名誉」「正義」「自己犠牲」

ᛉ:「盾」

ᛈ:「秘密」「超自然的な力」

食事シーン

食事シーン
(引用元:IMDb)

あの謎のフォーメーションでの食事シーンも、実はルーン文字を示しています。

上の画像だと「旅」「進化」「成長」を示す、ᚱが横を向いていますね。

食事シーン
(引用元:IMDb)

アッテストゥパン前の食事シーンは、ᛟのルーン文字になっています。

ᛟは「世襲の土地」「領土」「所持」などを意味します。

ダニーの服

ダニー
(引用元:IMDb)

ダニーの服の胸の部分の刺繍にも、ルーンが描かれています。

しかしこれは「旅」「進化」「成長」を示す、ᚱがひっくり返ったもの。ひっくり返ると意味も逆転し、「不和」「妄想」「死」という意味になります。
果たしてダニーは幸せになれるのでしょうか……。

ちなみに右側のルーンは「純潔」を示すᛞが描かれています。
ちなみにᛞはダニーの靴にも描かれています。

シフの服のルーン

シフ
(引用元:IMDb)

シフの胸に描かれているのは、ᚨ。
「神」「言葉」「伝達」「口」を意味するルーン文字です。

メイポールにもルーンが描かれていますね

メイポールとは……

メイポールを森から切り出して飾り、その下を人々が踊りまわる。
病気や悪霊を逃れるために、生命と春の象徴である樹木を立てたのがそもそもの起こりで、モミや白樺が主に用いられる。

左は「富」「パワー」「カリスマ」を意味するᚠというルーン文字になります。
右はわかりづらいですが、頻出しているᚱのルーン文字ですね。

生贄部屋の壁

生贄部屋の壁
(引用元:IMDb)

生贄部屋のルーンᚸは、ノーサンブリアのルーン文字で「槍」を示すらしいです。このルーンだけは、アングロサクソンのルーンらしいです。謎です。

ラストの生贄たちが集められた神殿の部屋に書かれたルーン文字は、アングル人の王国、ノーサンブリアのルーン文字で「Gar」、つまり「槍」という意味。

これは北欧神話の主神オーディンが持つ有名な槍「グングニル」と関係がありそうだ。北欧神話で聖なる木とされるトネリコの木で作られた、この槍の穂先には破壊力を増幅させるルーン文字が刻まれているという。

また、この槍は必ず標的に命中し、その後自動的にオーディンの手元に戻ってきたと言われている。オーディンは知識を貪欲に求める神で、ルーン文字の秘密を得るためにユグドラシルの木で首を吊って、グングニルの槍を己の身体に突き刺し、9日9夜、その激痛に耐え抜くというハードコアな肉体的苦行(そう、オーディンは自分の体を生贄にしたのだ)を経た結果、叡智の神になったという。

日本語版公式サイトより

おれの個人的な感想&まとめ

映画冒頭の絵
(引用元:IMDb)

以上『ミッドサマー』は細かな仕掛けがたくさんある映画です。

またホラーとしては稀有な特徴として、白夜の土地を題材にすることによって、暗いシーンがほとんどありません。暗い場所、視界の利かないというホラーの恐怖の定石を捨てている。なのでホラー映画が苦手な人の最初の一作としてはとっつきやすいかもしれません。

この明るくて無印良品てきロハスな雰囲気も相まり、女性にも人気があるのかもしれないですね。

暗い場所がないわけではなく、ホルガに行く前。アメリカでの描写が異様に暗いのも特徴的ですね。
まとめの最初に貼った、映画の冒頭にも出てくる絵。これがこの映画のすべてを暗示していますが、アメリカでの描写は雪が降りしきる暗い夜のシーンでしたよね。
クリスチャンたち男連中がいる部屋やBARも、異常なまでに暗かったし。

明るいの異様に不気味。そして怖い。

これはアリ・アスター監督の確かな手腕によるものでしょう!
「今の一体なんだったの?」と言いたくなるような、人を不安にさせる説明がまったくない謎の描写や、カメラワークなど最高です。

かず

非常に次回作が楽しみな作家ですね。

まだ30代半ばですし、映画ファンとしては一生のおつき合いになりそうな予感です。

ちなみにアリ・アスター監督の前作『ヘレディタリー/継承』のレビューも書いてます。
だけどだいぶ前に書いた記事なので、だいぶ稚拙なところがあるので、あまり観られたくないような……。
(か、書き直したい……)

また良作を生み続ける確かな映画会社『A24』の最近の作品『ライトハウス』の感想も書いてます。

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かずくん
ある日学生時代に友人におすすめ映画を紹介した時に、「めっちゃ面白そう!」と好評。 昔から映画は好きだったが、映画を紹介することで初めて人に認められ、人生がほんのちょっとだけ変わった人間。 「映画の知識があれば、老若男女問わず話が合うし、教養が身について人に優しくなれるし、歴史にも詳しくなる!」そんな信条の持ち主。

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