会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。どうも、かず(@eigablog_kazu)です。
今日紹介するのは、天才ジェームズ・ガンの手で生まれ変わった『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』です!
映画好きな人間からすれば、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が撮ったとなれば、それだけで無条件で観にいく案件。
てゆうか、突き詰めて考えるとそれだけの理由で観た。
ですが、製作者とかをあまり気にしない人からすると、本作の立ち位置が難しいようですね。
最初に言っておくと、2016年にデヴィッド・エアー監督『スーサイド・スクワッド』が公開されましたが、本作はまったく関係がありません。
一部のキャラクターは続投していますが、ほぼメンバーは刷新されているので、本作単体で楽しめる作りになっています。
とにかく面白い映画なので、いろんな人に観て欲しい映画!
個人的にガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(以下、GOG)はそこまで好きじゃないのですが、本作はかなり刺さりました。
悪党が正義に目覚めるわけでもなく、悪党が悪党のまま戦うという描写が本当によく出来ています。
タランティーノ映画ばりのバイオレンス演出。そしてGOGばりのいい意味での馬鹿馬鹿しさ。
終始ニヤニヤしながら観ていました。最高です。
映画ならではのポップなバイオレンス描写をギャグとして受け取れるアンテナをお持ちの方は、ぜひ観てほしい。(だけど最後は、まさかの感動で涙腺が爆発しそうになったのよね〜)
こういう人にオススメ
- タランティーノ映画とかが好き好き大好き。
- めちゃくちゃ予算をかけたB級映画が観たい
- ハーレイ・クインめっちゃカワイイ。好き。ハートな人。
あらすじ
クレイジーなハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、最強スナイパーのブラッドスポート(イドリス・エルバ)、敵をチーズに変える能力を持つポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)ら凶悪な犯罪者たちを集め、特殊部隊が結成される。彼らは成功すれば刑期短縮、失敗すれば即死、命令に背けば首に埋め込まれた爆弾で殺されるという命懸けのミッションに挑む。
(引用元:シネマトゥデイより)
予告編
(ほぼネタバレなし)レビュー・解説

2016年のデヴィッド・エアー版はなかったことになっている。
本作は一部のキャラクターこそ続投しているものの、2016年のデヴィッド・エアー版はなかったことになってりいる。だけど便宜的に前作と呼ぶことにしよう。
(少し前はデヴィッド・エアーは引っ張りだこだったのに最近名前もあまり聞かないね)
前作の問題点は、悪党が悪党に見えない。ふつうにいい人に見えることだと思う。また展開がぶつ切りで、似た展開が短時間の間に連続であるという構造上の欠陥もある。
(マーゴット・ロビー最大の当たり役ハーレイ・クインを生み出した功績はすごい。これがなければ本作もないのだけれど)
話を今作に戻すと、今作では悪党が悪党のまま活躍する。そこが最高である。
てゆうか悪人しかいねえ!指示を出す政府側もなかなか悪どいし。
だけど悪党にも悪党なりの正義(信じていること)がある!
これが本作の胸熱ポイント(とラストの涙腺爆発ポイント)。
本作を観て改めて気づいたのは、悪人だってちゃんと生きているってこと。
悪党だからといって、一般人のすべて真逆の行いをしているわけではない。
家族がいて糊口をしのぐために悪人家業をしていたり、純粋な心を持っていても道を踏み外して罪を犯してしまったりね。
仮面ライダーの一番下っ端のショッカーとかであれば記号的な悪なんだろうけど、スーサイドスクワッドの面々は、それぞれに自分が信じるものがある人なのである!(サメとイタチもいるけど……)
全編すんげー馬鹿馬鹿しくて、ポップなバイオレンスに満ちている映画だけど、その辺りの描写が非常に上手いと思った。
冒頭でスーサイドスクワッドの面々を人選する政府のコントロールルームの奴らが、メンバーの誰が死ぬかを賭けているシーンがある。
あの無神経な一般人の感覚こそ、かなり邪悪だよね。あのシーンではギャグとして機能していますが。(ちなみに人が死ぬ時期を賭ける遊びを『デッドプール』という。”おれちゃん”の元ネタね)
ちょっと真面目な方向に話が向かってますが、基本は全編笑える展開のオンパレードです。

- かわいらしい小鳥ちゃんを、ボールをぶつけて殺しちゃう悪趣味すぎる映画のはじまり方。
- 冒頭の目を疑うような、冗談のような敵地への上陸シーン。
- 各々の殺しの腕前を自慢するがための、バイオレンスな潜入シーン。
- ハーレイ・クインの槍を使った殺陣シーン。
- 日本のアニメ映画『忍者バットマン』もびっくりな巨大怪獣との戦闘。
今作はハーレイクインの活躍がかなり良かったですね。
前のスースクではバッドが武器だったので、戦力的にはそこまで頼りになる存在ではありませんでした。次作の『ハーレイクインの華麗なる覚醒』では、アニメよろしくハンマーとかを振り回していましたね。
しかし本作では、武器がジャベリン(槍)に進化!(槍を最初に手に入れるシーンも面白い)
銃も使いますし、本作では戦闘力とバイオレンス度が爆上がりしています。
途中の槍でぶっ刺すと血の代わりに花びらが飛び散る演出も最高です。
おれは”『(500)日のサマー』殺し”と勝手に呼んでいます。『(500)日のサマー』のダンスシーンばりのファンタジックな演出!てゆうか、ほとんど『(500)日のサマー』。

また、予告では巨大な怪獣らしきものの登場を匂わせていますが、そのシーンも良かったですね。正直予告の段階では不安要素のひとつだったんですけどね。
2018年の日本のアニメ映画『ニンジャバットマン』でもラストあたりで、巨大ロボによる戦闘シーンがある。あれが微妙だったのよね。個人的にあれのトラウマがありまして……。ニンジャバットマンの巨大ロボによる戦闘シーンはいくらなんでもやり過ぎ感がありました。
ましてやスーすくで巨大怪獣と戦うなんて……。アベンジャーズ級の戦力がないと成立しないだろ、と。
ですが今回のスースクでは、ちゃんと成り立っています。
しかも、ちゃんと納得のいく筋の通った決着をつけてくれます。しかも、まさかの涙腺爆発ポイント。
まとめ
ふつうの世界では生きていけない。縛られたくない。自由に生きたい。
その結果悪人の烙印を押されたスーサイド・スクワッドのメンバー。
彼(彼女たち)の活躍は絶対にチェックするべき!今上映している映画でいちばんの要チェック作品でしょう。もちろんバイオレンスな映画に抵抗がなければね。
ちなみに本作でブラッドスポートを演じる、イドリス・エルバはNETFLIXオリジナル映画『ビースト・オブ・ノーネーション』では少年兵を束ねる隊長の役をやっています。こっちは愛せない悪人です。
