会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。どうも、かず(@eigablog_kazu)です。
今日はロバート・パティンソンとウィレム・デフォー主演の『ライトハウス』を紹介します。
絶海の孤島の灯台に男が二人。
しかも2021年の、このご時世に白黒映画! 画面のサイズは、ほぼ正方形。
謎の人魚や、モンスターらしきものが出てくるが、夢か現実かもわからない。
なんなんだ、この映画は!
最後まで見ても、明確な答えが用意されているわけではない。
だけど、それがこの映画の醍醐味なのです!
あのシーンは夢。このシーンは現実と解説して割り切るのは、本作の楽しみ方としてはちがうと思う。
脳をフル回転して、映画を全身で浴びる。
観た人とわいわい意見を酌み交わす。エヴァとかと楽しみ方は同じだよ。
こういう人にオススメ
- ゾクっとする映画が観たい
- 虚構と現実の狭間を彷徨う映画を味わいたい
- A24と聞くだけでヨダレが出てくる映画変態
あらすじ
1890年代、ニューイングランドの孤島に2人の灯台守がやって来る。 彼らにはこれから4週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。 だが、年かさのベテラン、トーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。 険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで2人は島に孤立状態になってしまう。
(引用元:公式サイトより)
予告編
レビュー・解説

ハズレなしのA24最新作!待ち侘びた日本公開
A24は、2012年8月20日に設立されたアメリカ合衆国のインディペンデント系エンターテインメント企業で、拠点はニューヨークである。映画やテレビ番組の製作、出資、配給を専門としている。
(引用元:ウィキペディア)
A24制作の映画で『ライトハウス』と同じホラー路線だと、『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』が日本でも話題になりました。個人的には『エクス・マキナ』が大好物です。
A24は近年コアな映画ファンの心を捉え続けています。
今や制作会社でお客さんを呼べる会社になりました。
>>関連記事
怖すぎ。オムツ着用推奨ホラー映画。『へレディタリー/継承』
『ライトハウス』海外では公開された当初から話題になっていたが、なかなか日本公開が未定だった。それがいよいよ日本公開されました。
『テネット』でロバート・パティンソンの知名度がさらに上がったし、そういうのも公開が決まった要因かもしれない。白黒映画で画面のサイズもほぼ正方形。出てる役者も一般の客を呼べるような知名度だと、いろいろと難しいのかも。
首を長くして待った『ライトハウス』は、一言で言うと最&高でした!
個人的には、こういう映画を観たかったというものを高い純度で再現してくれたような映画。だけど万人受けはしないんだろうなあ。
なかなかの珍味な映画なところは否定できない。
少なくとも『クワイエット・プレイス』みたいなわかりやすい映画ではない。
>>関連記事
【傑作!】『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が前作を観ていなくても問題ない理由!
『ライトハウス』の面白かったところ

- 理解不能なところ
- 古典文学や神話をリファレンスしているような内容
- 徐々に狂っていく登場人物
おもしろかった点に理解不能と挙げましたが、時には理解不能な部分も映画のメリットになり得ます。
製作者の不手際で理解不能というわけではなく、理解不能な部分が製作者のコントロール下にある時ね。
『ライトハウス』はどこまでが夢でどこまでが現実かが、完全にコントロールされ計算された理解不能さです。
てゆうか、おれはマーメイドも怪物もすべて、この映画内では現実の出来事と思っています。
地獄は脳にあるというか、人にとって脳が感じたことこそすべてなのです。熱湯に触れて熱いと感じたら、実際には指ではなく脳が熱いと感じているのです。
なので、脳が怪物がいると感じたら、それはもう現実と行って良いのではないでしょうか。
また映画の”側(がわ)”の話ですが、白黒映画なのに演出などが今風なのが良かったです。
演出やテンポまで昔の映画に合わしていたら、流石に現代の観客にとっては退屈な映画になっていたでしょう。そのあたりは画面が白黒、ほぼ正方形というだけで、なので現代の映画好きでもまったく観ていて問題はありません。
また『ライトハウス』では左右対称のシンメトリックな構図が多いのが印象的でした。
画面のセンターを貫くように灯台が立っていたり、キャストが二人だけなので自ずと対照的な構図になることが多かったですね。
それだけに、対称が崩れる瞬間の危うさというのもこの映画の見どころです!
対称が崩れると非常に不穏な予感がします。

あと同じく近年の白黒映画として、NETFLIXオリジナル映画『ローマ』というのがあったけど、まったく白黒映画としての印象がちがうのも気づきでした。
『ローマ』はセピア色に近い非常に光の表現が美しい映画でしたが、『ライトハウス』は墨汁で描いたような荒々しい白黒映画です。
白黒にもこれだけ幅があるというのは、まだまだ白黒映画にも可能性を感じます。
【追記】ロバート・エガース監督の前作『ウイッチ』も観たよ。

つぎのページに続く!