会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみ。
どうもかず(@eigablog_kazu)です。
週末に恋愛映画の『1秒先の彼女』を観てきました。
わたくしごとですが、緊急事態宣言が明けてから初めて劇場での映画鑑賞です。
ずっと映画館が閉まっていたせいで、『ジェントルマン』、『るろ剣』とか色々見逃してしまっています。
そんな話は置いておいて、この『1秒先の彼女』がぜひ映画通も唸るほどの面白い映画だったので紹介します。
監督・脚本はチェン・ユーシュンが。
2020年・第57回金馬奨で作品賞を含む5部門に輝いた、ラブ・ファンタジーです。
何をするにもワンテンポ早いヤン・シャオチーと、何をするにもワンテンポ遅いウー・グアタイのラブストーリーなんだけど……
予告を見た印象では、「せっかちとかのんびり屋さん的な、そういう個性の人たちなんだろうなあ」くらいに思っていたら、これが実はSFやファンタジーの仕掛けのひとつだったという!!
冒頭「わたしのバレンタインがなくなりました」と主人公のシャオチーが泣きながら交番に駆け込んでいたけど、SF的(ファンタジー的な仕掛け)で実際になくしてるんですよね。
いやあ、面白かった!
こういう人にオススメ
- ドロドロしていない楽に見れるラブストーリー
- 『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』が好き。
- 『時をかける少女』が好き。
あらすじ
郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった…!? 消えた1日の行方を探しはじめるシャオチー。見覚えのない自分の写真、「038」と書かれた私書箱の鍵、失踪した父親の思い出…謎は一層深まるばかり。どうやら、毎日郵便局にやってくる、人よりワンテンポ遅いバスの運転手・グアタイも手がかりを握っているらしい。そして、そんな彼にはある大きな「秘密」があったー。 失くした「1日」を探す旅でシャオチーが受け取った、思いがけない「大切なもの」とは…!?
引用元:公式サイトより
予告編
(ほぼ)ネタバレなしレビュー

ストーリーが抜群におもしろい!
交番へ駆け込むひとりの女性。
「私のバレンタインがなくなりました」
観客の誰もが思うはず。
「寝てたら1日が終わっただけじゃない?」
どうやら、台湾にはバレンタインが年に2回あるらしい。
彼女が無くしたと言っているのは七夕バレンタインのこと。七夕のバレンタインも恋人たちの祭典のようだ。
シャオチーは言う。「肌が日焼けで、小麦色に焼けているんです。昨日まではこんなことなかったのに!家で寝ていたら日焼けなんてしていません!」。
(このあたりで交番のお巡りさんにシャオチーに自分語りをさせることで、主人公の基本プロフィールを観客にも説明する巧さ!)
まだなにも真実を知らない観客からすると、この時点では主人公はまあまあヤバいやつ。
(「変なクスリとかしてないかしら?」というレベル。)
そこからお話は、バレンタイン前の出来事にさかのぼる。
映画としての掴みはバッチリ!
映画の前半はバレンタインをなくしたシャオチーのパートで、後半はシャオチーに恋焦がれるグアタイの目線から物語の真実が語られる。
ぱっと見の印象はアジア版『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』というのが第一印象。
だけど他の時間SF(やファンタジー)とちがって、タムリープみたいな時間に関する主人公たちの能力の詳細が明かされるのが物語の後半。これが、他の時間を扱った映画とはちがうところ!
主人公たちが自分たちの能力について後半まで気づかない。
これが時間ものとしては斬新!
他の人のレビューを見ていると、後半のグアタイの行動が変態チックとかいろいろ言われているのを目にした。
「時をかける少女」も「アバウト・タイム」の主人公も、自分の能力に目覚めた時に私利私欲のために乱用するシーンがあるし、そのあたりは時間物のお約束かなあと言う気がします。
製作者もグアタイの変態性には自覚的なのか、一応きつーいお灸が据えられるじゃないですか!
(街でスイーツの豆花(トウファ)の呼び子の声が聞こえるシーンのところね!)
「あのシーン、いる?」とちょっと思ったけど、なかなかショッキングなシーンで変態性をチャラにしているのでしょう!変態的所業を忘れるほど、その後のグアタイのことが心配になるし。
役者陣の好演

『1秒先の彼女』でお初にお目にかかりますが、主人公のシャオチーを演じるリー・ペイユーがいいです。
何がいいって、郵便局で働いているときはすごい地味な女性。(ほぼスッピンなんですかね?)
なのにオシャレしてメイクをすると豹変して、可愛さが跳ね上がります!
またシャオチーの同僚として美人すぎる囲碁棋士として、日本でも有名な黒嘉嘉(こくかか)が出ている。
ふたりの掛け合いもなかなかいいです。ちなみに黒嘉嘉は、演技は初挑戦らしい。
グアタイも前半では気持ち悪いキャラですが、後半はなかなかカッコイイ。
ほぼ見た目が変わらないのにかっこよく見えてくるんだから、すごい。
(後半ホラー一歩手前の変態性を発揮しますが……!)
まとめ
ユーモアもあって、ストーリーもひねりがあって、デートムービーとかにはピッタリじゃないでしょうか?
『花束みたいな恋をした』みたいな、カップルで見ると絶望するタイプの恋愛映画ではないです。
