どうも、かず(@kazu_eigablog)です。今日はおれが敬愛してやまない、好き好き大好き超愛してる007のレビューです。
おれは007のブルーレイをすべて持っている、生粋の007ファンです。小学生の頃にテレビゲームの『007ゴールデンアイ』(97年発売)から007に入門し、そこから頃ずっと追い続けています。(ちょっと小学生には、ボンドガールたちとの逢瀬は刺激が強かったですが!)
そして、ついには2015年には一人旅でロンドンに行き、MI6の前まで行って写真をパシャパシャ撮ってしまいました。世界を股にかけた聖地巡礼です。

今回の感想は記憶を頼りに書くのではなく改めてブルーレイを見直し、特典映像まで余すことなく見た上で書きます。
ということで、これから順にシリーズのすべてをまとめていく予定です。記念すべき007レビューマラソンの第1作は、『カジノ・ロワイヤル』から!
なぜ『カジノ・ロワイヤル』かというと、007入門に最適だから!
ボンドを演じる俳優がダニエル・クレイグに代わり、さらに『カジノ・ロワイヤル』は原作小説でも第一作にあたります。
あまりにもシリーズが多いし、つぎに見る時に前の話を忘れちゃいません?
観た人はシリーズを思い出すような、観てない人は予習になるような記事にしたつもりです。
本作を端的に表すと!
- 007入門に最適な一作。
- ダニエル・クレイグが演じるボンド映画シリーズの一作目。
- 金髪・青眼のボンドがシリーズ初登場!金髪で青眼のボンドが初登場。
あらすじ
暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは“00(ダブルオー)”の地位に昇格し、最初の任務で、世界中のテロリストの資金運用をしているル・シッフルの存在を突き止める。高額掛け金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロに向かうボンドの前に、国家予算である掛け金1, 500万ドルの監視役として財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる……。
予告編
レビュー
「そうだな・・・ヴェスパーと呼ぶことにしよう」
「後味が苦いから? 」
「いや、一度味を知ってしまうと、これしか飲みたくなくなるんだ」
波乱万丈の『カジノ・ロワイヤル』制作への道。
少しだけ映画『カジノ・ロワイヤル』ができるまでのお話をするね。
これが波乱万丈なのよ!
じつは『カジノ・ロワイヤル』は最初に1954年にアメリカでテレビドラマになっている。しかしそれはジェームズ・ボンドが出てこない眉唾な作品。
ジミー・ボンドというアメリカ人は出てくるんだけどね!
その後、本作の権利はラトフというロシア人に買われる。
(冷戦の時代に、冷戦を描いたイギリス人の小説がロシア人に買われる皮肉さよ)
しかしラトフによって映画化されることなく、1967年に『カジノ・ロワイヤル』はコロンビアによっていちど映画化される。皮肉なことに1954年のドラマに続き、そこにもボンドはいない!
みながよく知る007シリーズは、イーオンプロダクションという会社が制作している。そのイーオン制作の007シリーズは、4作目の『サンダーボール作戦』が1965年に公開されている。なので並行して公開されたってわけ。
その後『カジノ・ロワイヤル』の映画化権は、コロンビア映画とユナイテッド・アーティストという会社で分割管理することになった。
ようやく権利関係のゴタゴタが片付いたのは2000年。イーオンと共に007を制作していた映画会社MGMがすべての007の映画化権を取得する。
その後MGMをソニーピクチャーズ(コロンビアはソニーピクチャーズの会社)が買収するので、『カジノ・ロワイヤル』は長年の時を経て、67年版と同じくコロンビア映画として作られることになる。今度はちゃんとジェームズ・ボンドが出てくるのだが。
2015年にソニーとMGMの関係は終了するも、2021年MGMは Amazonに買収することになる……。
金髪・青眼のボンド誕生!

00(ダブル・オー)エージェントになりたてのボンドを、前作までの50歳を超えたピアース・ブロスナンが演じるのは無理がある。そして急に話を過去に戻すのも変な話。
というわけで、キャストを一新しダニエル・クレイグがボンドを演じることになった。
本作が公開される前の状況を思い出してみると、金髪碧目のボンドというのは007原理主義者には受け入れられず、そこそこ叩かれていた。
イアン・フレミングの原作によると、ボンドは黒髪。
しかし、公開されると同時にオールドファンたちの杞憂は吹っ飛んだ。ダニエル・クレイグ演じるボンドは、熱狂のもと世界に受け入れられた。
『カジノ・ロワイヤル』の見どころ

・わりと筋の通った脚本
・リアル路線になった生身の激しいアクション。
本作の特徴として、これまでは大味で荒唐無稽気味だった007映画が丹精で丁寧な作りになった。
今作の好きな点として、ちゃんと行動に意味があるということ。
どういうことかというと、ボンドがこういう手かがりを得てバハマに向かい、つぎの手がかりを得てモンテネグロに向かう、みたいな。
敵もこういう選択をしたから、次はこういう一手を打ってくると言った風に動機やロジックがしっかりしています。
「今までなかったのかよ!」と007を詳しく知らない人にはツッコミを入れられそうだけど、正直これまでの作品はちょっと脇が甘かった(笑)
ボンドが若返ったというのもあるかもしれないが、本作はアクションシーンが激しい。
また本作の公開は2006年で、2002年と2004年にはマット・デイモン主演のスパイ映画の傑作『ボーン・アイデンティティ』や『ボーン・スプレマシー』が公開されている。
ボーンシリーズの殺しのプロによるスピーディーで躊躇が一切感じられないアクションは、カジノ・ロワイヤルへ影響を与えている思われる。
また原作の良さでもあるのだけれど、国家予算を使ってポーカーで敵と対峙するという発想がいい。
(ちなみに原作では、ポーカーではなくバカラ)
例えボンドがミッションを完遂できなくても、以前のボンド映画のような世界の危機は来ないかもしれない。しかし失敗した時のことを想像するだけで、ゾッとする。
ボンドがヴェスパーと出会った時に受け取った最初の軍資金は、1500万ドル。
日本円換算で約16億円になります。めちゃくちゃ高額です。
ちなみに、カジノ・ロワイヤルでのボンドが勝ち取った賞金は、1億2000万ドル。
これを日本円に換算すると、130億円くらいに相当する。
そりゃそれだけのお金を失ったら、ル・シッフルはムキになって、ボンドのお尻をぺんぺんするよね。
カジノロワイヤルの微妙なところ
若干、話がわかりづらい。
特にヴェスパーの行動原理やマティスについての脚本の書き込みが薄い気がする。端的に少々わかりづらい。
あと、前半では散々”エリプシス”という単語を意味深に出しておきながら、その正体がなかなか拍子抜けだったりします。
アクション映画なので雰囲気で楽しめますし、上映時間を削るために色々と削った結果かもしれない。なにせ『カジノ・ロワイヤル』は上映時間が144分ある。
映画は上映時間が長くなると、劇場で1日に上映できる回数が物理的に減り興行収入に影響が出るので、わかっててやっている可能性もある。
まとめ
前作からの繋がりはないので、007入門に最適な一作です。
デメリットとして脚本の粗をあげましたが、アクションシーンもたっぷりで、真剣にストーリーを追わなくても十分に楽しめる映画だと思います!
そして国家予算をかけてのポーカーは、今作の白眉!
>>『007 カジノロワイヤルの』ネタバレ解説はこちら
